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- 金本選手の連続出場記録が止まる
阪神金本選手の連続出場記録がついに止まったというニュースが流れた。
4月15日にナゴヤ球場で行われた阪神対中日戦で、起こった出来事と言う。スポーツ新聞では事件ととらえて報じているのもある。
その日先発を外れた金本選手が8回2死1塁の場面で代打に入った。一塁のランナーは四球で出た俊介選手。
今年2年目の生きのいい選手で、シーズン当初からレギュラーを獲得した成長株の選手である。その俊介選手が盗塁を試み失敗。
8回が終了。金本選手の打席が終了していないので、出場したとは認められないというもの。
9回裏の守備につけば、連続試合は継続できたが、別の選手が守備についた。
この時点の戦況は、8回裏で阪神は5対3で中日をリードしていた。クローザーの藤川投手が抑えれば、阪神が勝つ。
ナゴヤ球場では、昨年2勝10敗と大きく負け越したことが、結果的にペナントレースを1ゲーム差で逃すきっかけになった。
加えて中日球場では過去6年間初戦を落としている歴史もある。
阪神はナゴヤ球場の初戦に勝利するために、主力の金本選手を休ませる選択をし、守備を強化してのぞんだのかもしれない。
主力の金本選手は、昨年大けがをした肩が本調子ではなく、30~40メートルしか投げることができない状態にあった。
守備でチームに迷惑をかけているという現状と連続出場の個人記録継続でチームに迷惑をかけるという現状での金本選手の胸中は、忸怩たるものがあったと思われる。
こうした背景の中、9回裏に金本選手を守備につければ、それは勝利よりも個人記録を優先したととらえられても仕方のない采配である。
真弓監督には、難しい選択であっただろうと思われる。私は、真弓監督の決断は正しいと思う。反対の考えをする人も当然いるでしょう。
人は選択肢の中から一つしか選択できない。その延長線上に未来は続いていく実証を改めて感じた。
俊介選手が心配である。盗塁は個人の判断であるらしい。戦況を読めなかったといわれれば、その考えに反論はできない。
しかしもう1点取って、盤石の戦況に置きたいと思うのは、選手として当然であろう。しかも代打が主力の金本選手である。
2塁に行けば、絶好のチャンスになりうると判断したのかもしれない。
しかし金本選手の偉大な記録と引き換えにしてでも、盗塁する勇気が俊介選手にあったとは思えない。
金本選手が代打で出場した時点で、記録が継続されたと思っていたのかもしれない。
ベンチワークとして盗塁させないサインを出すことができた。
盗塁を強行して失敗した。結果がすべてと言えるかもしれないが、あまりに重い責任を負うこととなった。
ベンチの責任もまた同じである。ベンチがこのことを自覚して今後の試合に生かしてくれることを望む。
俊介選手には、この試練を乗り越え、今後の試合でこの判断が正しかったことを示していってほしい。
決して萎縮することのないように。今日を境に盗塁の成功率を上げる努力をし、結果で示すことではないだろうか。
エールを送りたい。
以上